ご存知の通り、日本の国民年金は崖っぷちです。毎月ちゃんと国に支払っていても、決められた金額がもらえるか怪しいどころか、元割れの危険さえあります。
一昔前は、「老後は公的年金で暮らし、不足する分を民間の年金保険で補完する自助努力をしましょう」といっていました。ところが今、その言葉を信じて公的年金を頼りにしていたら、生活そのものが成り立たちません。自助努力は補完ではなく、主役に昇格させて生活を守らなければいけません。その自助努力で蓄える手段のひとつが、個人年金保険です。
そこで個人年金保険ですが、一体何歳から年金を受け取り始めて、その年金が何歳まであれば安心でしょうか。すぐ頭に浮かぶのは、定年で職を退いた時から受給が始まり、死ぬまでは受け取りたい、という本音でしょう。しかしこれを年数に換算すると、65歳から85歳まで受け取るとしたら、実に20年間の年月があります。せめて平均寿命の約80歳までと望めば、約15年間は年金を確保したいところでしょう。
代表的な年金の受取り方には、次のようなものがあります。
① 10年保証期間付終身年金
年金受取り開始から10年間は、被保険者の生死にかかわらず年金を受け取れる。10年経過後は、被保険者が生きている限り、年金を受け取れる。
② 10年確定年金
年金受取り開始から10年間は、被保険者の生死にかかわらず年金が支払われる。10年経過後の年金はない。
③ 15年確定年金
年金受取り開始から15年間は、被保険者の生死にかかわらず年金が支払われる。15年経過後の年金はない。
多くの人が選ぶのは、②か、①です。一回ごとの年金受取額は②が一番多く、次いで③、①の順で少なくなっていきます。①の場合は、長生きすれば、いつまで年金を払わねばならないか分からないということで、保険会社にとっては長生きされると困るが、反面、10年目の支払い期間中に被保険者が死亡してくれれば、11年度以降は払わなくて済むという、保険会社にとっての利点もあります。
では、35歳の男性が65歳まで保険料を支払って、65歳から①②③のそれぞれで年金を受け取ると、いくらになるか見てみましょう。払う保険料を①を基準としてほぼ同一金額にし、何倍になって返ってきたかで比較します。(Z社を例に)
払込保険料に対して③が1.23倍と一番倍率が高いが、終身(生きている間)受け取れる①では、受取開始から22年目には1.25倍となり、③を超える。長生きできればという条件付なら①が一番率の良い年金となる。ちなみに受取り倍率は会社によってかなリバラつきがあるので、注意しましょう。
貯蓄性保険は毎月の保険料は決して安くはありません。しかし、トータルで考えればお得で人生設計の一部に取り入れるのは効果的です。