家庭の経済状況の悪化、子供の成人など、保険を見直そうと思うタイミングは誰でもあるでしょう。ただし、見直す際にはいくつか注意が必要です。
まず、全く違う生命保険会社に乗り換える場合、今の保険をやめてから加入するという手順は絶対にしてはいけません。自動車保険なら切り替える時期が重ならず無保険の状態にならないようにしようと誰もが注意しますが、それは生命保険も同じことです。それともっと大切なことがあって、それは、必ずしも新しく加入しようと考えている生命保険に加入できるとは限らないということです。もしかしたら健康的な理由で謝絶される可能性があるからです。ですから、やめてから加入ではなく、加入してからやめる順序をとりましょう。
また、保険会社に「保険を見直したい」という意志を伝えると、「転換」を勧められます。「転換」とは、現在加入している保険を下取りして、新しい保険に加入させることをいいます。保険会社のセールストークとしては、「新しいご契約の保険料は、下取りした分だけ安くなりますよ」と言ってきます。転換とは、いま加入している保険の解約返戻金を次の保険の保険料の一部に充当するので、その分だけ次の保険の保険料が少なくなるという仕組です。
しかしこの転換、アリ地獄からさらに深いアリ地獄に誘導されるようなものです。保険を見直そうと考える人のほとんどは現在の月額保険料が多すぎると思い見直すので、転換先として勧められるのは月額保険料が安くて一見負担が軽減されるかのような提案をされます。ところがよーく計算してみると、トータルでは全くお徳ではないケースがほとんどです。そもそも解約返戻金はやめても返ってくるものなので、安くなるという言葉にお得感を感じてはいけません。
結局は保険会社がさらに儲かるような仕組みになっており、転換がある会社にはそもそも要注意です。